制作者の想い
私が結ネットを通じて目指しているのは
「共助の精神」が広がることです。
Q1 結ネットをつくったきっかけはなんでしょうか。
町内会をデジタル化できるようなシステムを作ろうと案を練り始めたのは2011年秋のことでした。スマホが普及し始めた頃で、まだ他が作っていないデジタルツールが作りたい、という想いから今の「結ネット」のプロトタイプの制作が始まりました。
ちょうどその頃、自分の所属する町内会で会長をやることになりました。日中の仕事が長引くこともあり、夜中の2時に配布物を一軒一軒配りに行ったこともありました(笑)。しかし、そのおかげもあって、町内会の仕事が思ったより大変だということに気づきました。
そのようなこともあり、これから町内会のデジタル化は進んでいくだろうと予測しました。さらにこの町内会用のデジタルツールはまだ誰も作っていなく、発展の余地があるものでした。この2点が重なり生まれたのが結ネットです。
Q2 結ネットを通して目指したいことは何でしょうか。
「共助の精神」
私が結ネットを通じて目指しているのは「共助の精神」が広がることです。私の好きな言葉のひとつなのですが、これは自分の少年時代の経験から来ています。当時、というともう40年以上前の話になってしまいますが、そのころはご近所さんづきあいが生活の一部でした。
ちょっとお醤油やお味噌などをもらいにお隣さんへ行く、悪いことをしたら近所のおじさんにげんこつされる、そのようなことが日常茶飯事で、町内や街が子どもを育てるのが普通の時代でした。今ではご近所さんの顔もわからない時代となり、いつのまにかご近所付き合いも少なくなってしまいました。古いと言われてしまうかもしれませんね(笑)。
しかし、私はこの地域内での助け合い(古き良き昭和時代のひとづきあい)が、さまざまな地域問題の解決の糸口となると考えています。
「女性や子ども、高齢者が安心して暮らせるように」
例えば、女性や子ども、高齢者が安心して暮らせるような地域づくりを目指したいと考えています。しかし、近頃では隣近所や自分の住む地域に無関心である傾向が強いのが事実です。安心安全な地域づくりに欠かせない「コミュニケーション」が不足しています。
地域内のコミュニケーションが増えると、自然とお互いの親しみが増し、ちょっとした困りごとでもお互いを頼りやすくなります。近所のお子さんやお年寄りを見かけたときも、大丈夫かな、とちょっと気にかけることも増えると思います。
現代は生活のあらゆる面においてスマホ、インターネットが中心です。昔のような直接のコミュニケーションは難しい。しかし、ネット上でならハードルが下がり、少しずつ交流を増やしていくことが可能です。
一晩ですべての問題を一気に解決、とはいきませんが、長期的なスパンで見て少しずつ町内や街を変えていきたい。それに貢献していきたいと思っています。